日光道中　11

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第１１日　　　石橋～宇都宮　　

　　　　　　　　　　　　　歩いた距離　21.1km　　　　　　　2006.05.03　

　JR宇都宮線の石橋で下車する。

　駅舎のデッキから道路までの歩道橋が
「グリムの里」になっている。
　時計塔があり、
グリム童話にでている人物や動物の像がある。　

　駅前通りは電線が地中化されていて、街路灯がきれいに整備されている。

　駅前通りを国道４号線を越えてまっすぐいくと、孝謙天皇神社がある。
　畑の中にこんもり木が繁っている一郭である。
　狛犬は、平成８年(1996)の「新しょうわ」である。

　この神社は「約1200年の昔、かつて孝謙天皇に
もっとも信任を得ていた法王、弓削道鏡が下野国薬師寺の別当に配流された。
　女帝は配流された道鏡をあわれみ、追ってこの地にきて病没した」
という言い伝えがあり、その女帝を供養したものという。

　社殿の裏に、五輪塔と孝謙天皇と書かれた
明治１３年(1880)に建てた石柱とがある。

　国道４号線に戻る。
　右に開雲寺がある。白壁の塀には、銃眼や矢狭間がある。　

　本来の日光道中をいくと、右に鞘（さや）堂稲荷がある。
　「天授６年(1380)、下野の両雄宇都宮基綱と小山義正の激しい合戦の折、
戦死したものの鞘を集めて、そこにお堂をたてた」ところであるという。

　左に星宮神社がある。
　鞘堂新田の総鎮守であるというが、うっそうとした樹木の下に、小さな祠があるだけである。
　狛犬もいない。

	宇都宮市に入る。
マンホール：宇都宮市

　左側が陸上自衛隊の宇都宮駐屯地である。
　その前の歩道に、かわいいタイルがはめられている。

　雀宮に入ると小さな商店街になる。

　県はちがうが近くの筑西市に小栗の地名があるせいか、
小栗畳店、小栗測量事務所など「小栗」の名前が目立つようになる。

　このあたりが雀宮宿で、立派な門構えと塀の屋敷がある。

　雀宮駅入口の交差点を越えて行くと、
小屋がけの大きな馬頭観音がある。

　雀宮神社がある。
　「平安時代の百人一首の歌人である藤原実方（さねかた）が
陸奥守に任ぜられた。追ってきた妻女がこの地で病没し、
遺言により持っていた宝珠を埋め、この地の産土神として祀られた。
その後実方は陸奥で亡くなったが、霊魂が雀になりこの地に飛来した」
というので、雀宮神社と名づけられたという。

　猫顔で耳が大きい昭和１１年(1936)の
「江戸くずし」狛犬がいる。　

　なお進むと、小さな不動堂がある。
　その前に昭和３年(1928)にたてられた道標がある。
「右奥州・日光街道　正面東京に至る」と彫られている。

　左側の道をいく。　

　東武線のガードをくぐると蒲生君平勅旌碑がある。
　君平は宇都宮の人で、
「歴代天皇の御陵が荒廃していることを非常に悲しみ、
調査して『山稜志』を著し」たことを明治天皇が誉め、
庶民に知らしめるようにと命じたので、
宇都宮藩知事が「この地が君平の里である」という碑をたてた。

　右に小さな菅原神社がある。
　宇都宮城の西の守護神であるという。
　昭和９年(1934)の「江戸くずし」狛犬がいる。
　鬼顔で左右とも子狛がいるが、
右アの子狛は親の前足に食いついている。

　材木町通りを突き当たると、裁判所がある。
　そこを右に曲がる。

　大通りというだけあって、広く、きれいな道である。

　すぐに日光道中と奥州道中の分岐点がある。
　日光道中は左に折れていく道だが、
曲がらずにJR宇都宮駅にいく。

　この辺りは宇都宮城の城下町で、
材木町、伝馬町、大工町など業種をあらわす名前が残っているのが特徴である。

　伝馬町の歩道に「本陣跡」の説明版がたっている。

　宇都宮では名物の餃子を食べようと、店を探しながら歩いてきたが見つからず、
結局、JR宇都宮駅前の餃子屋さんでおみやげを買い、乗車して帰宅。

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