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第22日 藤枝〜島田〜金谷

                 宿間の距離  8.7+3.9km   1998.07.18
                 歩いた距離     18.2km        

 10時過ぎ、藤枝駅を下りて歩き始める。

 家をでる時は晴れていたのに、今にも雨が降りそうな天気。

 先週歩いた旧東海道が国道1号と交差する青木までいく。そこで旧東海道にはいる。

 田中藩領界石がある。
「瀬戸新屋村は田中藩と掛川藩が入り組む村で藩境に境界を示す石を立てた」。
その石柱に「従是東田中領」と書かれている。

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 瀬戸新屋に六地蔵で有名な鏡池地蔵堂がある。
堂内には、如証太子の自作とされる金色に彩色した木像が
あるというが、厨子の中に入っているので直接見ることは
できない。
 地蔵堂の屋根には「鏡」と書かれた立派な鬼瓦がある。

 境内の一角に、一つの石に三段で六体の地蔵が刻んである
石柱
がある。
 もっと古いもので一石二段の四地蔵があり、
地蔵の一体ははげ落ちて影だけになっている。

 その先に「古東海道蹟」の碑が立っている。
ここからの細い道が「山を通って瀬戸山から内瀬戸の部落へ通じていた、
中世からの『瀬戸の山越え』と呼ばれた古東海道である。
 東海道が島田から志太の山沿いに藤枝への道を通るようになったのは、
鎌倉幕府が開かれた翌年(1193)、源頼朝上洛の帰路が初めてであった」という。

 「東海道追分」の碑がある。

 「染飯茶屋跡」の碑。
 染飯(そめいい)は強飯をクチナシで染めて小判形に丸めて干し乾かしたもので、
瀬戸村の茶屋で売られていたものという。
 現在も、壺形に「名物瀬戸御染飯」の版木が伝えられているという。

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 通りに面して、大きな二階建ての家の前に、酒樽が積んであり、
軒下に杉玉が下がっている。喜久酔青島酒造である。

 東光寺谷川の瀬戸橋手前の若宮神社で雨宿り。
瓦屋根が破れたわびしい神社。持参のおにぎりで昼食。

 川を隔てて何の工場なのか、大きな煙突が中途から折れて半分残っている。
建物も壊れている。

 橋を渡るとすぐ大きな常夜灯が瓦葺きの小屋におさまっているが、
この小屋も今にも倒れそうである。

 小雨も降っていて、この辺りは何ともわびしい。
 上青島の一里塚跡の石柱が立っている。

 ここで女子小学生2人と連れになる。今日が終業式ということでうれしそう。
夏休みに北海道へ妹と一緒に旅行するとか、子供会で明日から伊豆へ旅行するとか、話が尽きない。
トラックが多く停まっている小さなラーメン屋で「ここが私の家なの」と言って別れる。

 角八木旅館。後藤助産所、廃業しているのか玄関の前に自転車が積んである。
派手派手しい幟が飾ってある写真屋、久しぶりに色彩を見たようでかえってホッとする。

 道悦島では木工所の入口に山小屋風の建物があり、
「カントリー雑貨」と銘うって木工の飾りものやTシャツなどを売っていて面白い。

 大きな白壁の蔵造りの建物はお茶の倉庫。茶の卸し業が多く、
「一言商店」という名前の店もある。

 島田の宿にはいる。国道1号と別れ旧道をいく。
 バス停の名前が「御仮屋」。ここは「島田の大井神社の御仮屋がある故の名である」。

 島田は小饅頭が名物で「参勤交代途中の茶人松平不昧公の目にとまり、
一口で食べられる大きさがよいとアドバイスをうけ、300年作り続けているもの」という。
 中村菓子舗で小饅頭を買い求めお茶を頂き食べたが、
元祖の小饅頭を売っているのは斜め向かいの清水屋であった。

tokaido22-4.JPG  世界一長い木造歩道橋の蓬莱橋へいく。
この橋は、旧幕臣が大井川右岸の牧之原を開拓し御茶を作り始めたので、
島田との日常の往来のため明治12年(1879)に造ったもの。
 全長約900メートル。歩行者20円、自転車30円である。
現在修理中で通行禁止の注意書きもあるが、
料金を払って中程までいくことができた。木が腐っているので少し怖い。

 宿を西にはずれる所に大井神社がある。
「この神社は、大井川の氾濫に悩まされた里民が子孫の繁栄と郷土の発展のために、貞観7年(865)に
創建された古社である」。日本三大奇祭の一つ「帯祭り」の神事があり、安産の神として神徳が高い。
 帯塚もある。

 大樹のある境内で落ち着きがあり、太鼓橋のある参道は雰囲気がよい。

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 入口の鳥居のわきに、江戸時代に川越(かわごし)人夫が大井川から
毎日一個づつの石を運んで造ったという土手石垣。
 また江戸時代飛脚たちが道中や大井川越えの安全祈願のため奉納した
灯籠がある。

 昭和13年(1938)の武運長久を祈願した「はじめしょうわ」の狛犬
久しぶりに大型で立派なもので、うれしい。

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 大井川は駿河と遠江の国境。島田宿大井川川越遺跡として、川会所、
札場、仲間の宿、番宿などが復元展示されている。
 人が現在住んでいるものもあり、「ご自由にご覧ください」の看板で
見学者に解放されている家もある。

 この辺りには、芭蕉が大井川の増水により足止めをくったので、
多くの句碑が立っている。
「馬方は しらじ時雨の大井川」「さみだれの雲吹きおとせ 大井川」。

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 島田市博物館が、新しい白い殿堂のように建っている。
大井川に関する資料や浮世絵の展示を見る。

 東海道五十三次を宿名の石碑と広重の絵の銅板パネルにして
表示している川越公園がある。

 大井川橋で大井川を渡り、金谷宿にはいる。
 橋の上と川岸から徒渡しの場所をさがすが、広重の絵のバックの山が特定できない。
 小雨模様で夕方なので、全体が暗く寂しい感じ。

 小さな東橋公園があり、蕪村の「みじか夜や 二尺落ち行く大井川」の句碑。
 日本左衛門の首塚のある宅園庵にいく。

 大井川鉄道の新金谷駅の近くの「吉川旅館」に着く。民宿という感じ。
 風呂をもらい食堂で夕食を食べてから、近くの八雲神社にいく。
明日が宵宮であるということで、清められており極彩色の幟が多く飾られている。
人もいなく暗いのですぐに宿に帰ってくる。

東海道一口メモ:地蔵

東海道一口メモ:東海道五十三次のミニチュア

 

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