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第1日   日本橋〜品川

                                       宿間の距離    7.8km       1997.09.06
              歩いた距離       8.0km      1999.07.10

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「お江戸日本橋七つ立ち」は午前4時頃であるが、私たちは地下
鉄半蔵門線の三越前で下車し、日本橋を10時頃から歩き始める。

 旧日本橋区が昭和初期に設けた日本橋由来記がある。「幕府が
慶長8年(1603)に埋め立て市街地として、海道を通した。その時
この日本橋をつくった。翌年各街道に一里塚を築いた時、この日
本橋を起点にした」という。 
橋の上にある日本国道路元標は直接には見えないが、道路脇にそ
複製の銅板がある。里程標があり、京都までは503kmであ
る。

tokaido01-02.jpg  橋の欄干の上には、東京都のマークを持った青銅製の大きな獅子
がいる。これは鎌倉時代の運慶作という手向山の狛犬を参考として
鋳造したもので、明治44年(1911)橋の架設と同時に設置されたも
のである。
 道路の反対側に小さな乙姫広場があり、ここが築地に移るまでの
日本橋魚市場の地である。「徳川家康が江戸に入国した時に、摂津
の国から漁夫が移り住み、幕府の膳所に供するために漁業を営んで
居たが、慶長(1596−)の頃から幕府に納めた残余の品を一般に販売
するようになったので、ここに市場の形態が整ってきた。大正12
年(1923)関東大震災を受けて築地に移転するまでの300年間ここ
に魚河岸が置かれてきたのである」。

 東急百貨店の玄関に、「白木名水」の説明板がある。「下町の井戸は塩水がでるので、白木
屋の2代目当主が正徳2年(1712)に井戸掘に着手した。井戸から観音様がでて、清水がこんこ
んと湧き出たという。住民だけでなく大名たちの用水ともなったので、白木の名水といわれる
ようになった」。 平成11年に歩いた時には、東急日本橋店は閉鎖され、「白木の名水」も
見られなくなっていた。東京の変化の激しさを実感するとともに、何らかの形で復元して
もらいたいものである。

 ディックビルの奥に秤座跡がある。「秤座は江戸幕府の認可をうけて、全国の秤の量目の統
一を図るため、秤の製造・検査・販売等を独占した御用商人の事務所である。江戸と京都にお
かれ、江戸は守随家が東国33カ国を管轄した」という。

 東京駅八重洲口への道と交差する中の橋には、日本に漂着した後日本にとどまり、家康の外
交や貿易について進言する役職についた、ヤンヨーステンのブロンズのレリーフがあり、八重
洲の名の由来となっている。

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 京橋の親柱が残っている。京橋は日本橋に対してつけられた名で、日
本橋同様慶長年間(1596-)に架けられたもので擬宝珠に縄を結んで祈ると
せき止めに効くといわれている。今残されている擬宝珠のついた親柱は
明治18年(1885)のもので、他の一本は大正11年(1922)のものである。
 道を挟んだ所に江戸歌舞伎(中村座)の発祥の地の碑と、大根河岸青
物市場の碑がある。

 なお進むと、銀座発祥の碑があった。銀座役所が慶長12年(1607)か
ら寛政12年(1800)、日本橋芳町に移るまでここにあったのでこの地を
銀座という。

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 新橋の親柱を見ていくと、西條八十作詞、中山晋平作曲の「銀座の柳」
の記念碑と柳の木がある。
 新橋の汐留開発の地を横目で見ながら第1京浜を進む。

 芝神明宮へいく。9月の祭礼は、「商い物多き中に藤の花を画きたる
桧の割篭、土生姜を多く商う」とのこと。

 右は擬宝珠で左は角を持った「江戸尾立」の狛犬がいた。
台座には相撲取りと喧嘩した「め組」と書かれ、石工は芝石民で
昭和6年(1931)とある。

 右に増上寺の赤い門が見える。
 芝大門のそば屋「更級布屋」で昼食。
 ここまでが江戸の内といわれている金杉橋がある。

 森永ビルの所が薩摩藩邸跡で、ここで西郷隆盛と勝海舟が江戸城開城についての会見をし
たという碑がある。
 そこを左にはいると小さな鹿嶋神社がある。この辺りは雑魚場といわれた漁師町で「日々漁を
して市に出すものを芝肴」といい、江戸前の魚ともいった。芝浜囃子の碑がある。参道をはずれ
て、ア・ウンともに子がいて、水引がかけてある「江戸」狛犬がいる。

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 三代将軍家光が元和9年(1623)にキリシタンを処刑した遺跡の碑
がある。
 嵯峨源氏渡辺一党の氏神で、俗に綱八幡といわれている御田八幡
神社がある。子狛がオッパイを吸っている「江戸」狛犬や太ってい
る「江戸はじめ」の狛犬がいた。

 道の左に高輪大木戸の石垣がある。「宝永7年(1710)、海道の左
右に石垣を築かせられ、高札場となし給う。この地は江戸の喉口な
ればなり」と説明している。

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 右に赤穂義士で有名な泉岳寺が見える。

 高輪神社がある。宝永6年(1709)に作られたギリシャ人のような髭を
持った「江戸なか」の狛犬がいた。

 JRを越え、八ツ山橋の約200mの間の遊歩道に江戸から京都まで
の景観を表し、東海道五十三次の宿場名をその地の首長たちが揮毫した
道標が配置されている。

 いよいよ東海道の第1の宿品川である。

 慶長6年(1601)に東海道の宿駅制度が制定されたのだが、宿場は「常備する伝馬によって
貨客をリレー方式で次宿へ継ぎ送る輸送機能と本陣、旅籠などの宿泊機能を併存していた集
落」である。

tokaido01-07.jpg  「品川の駅は東都の喉口にして常に賑わしく、旅舎軒端をつらね
て」というように品川の宿は大変繁盛していた。
 飯盛女の客は旅人が中心のはずだが、わざわざ江戸市中からくる
者も多く、吉原の北国に対して南蛮と称されていたという。
 現在、商店街や商工会が中心となって、「旧東海道品川宿周辺
まちづくり協議会」
をつくり、お休み処として建物を開放し、
散歩の相談にものっている。そこではガイドマップが置かれ、自由
にお茶を飲んで一息入れられるようになっている。

 菊すし総本舗の所に問答河岸跡の石碑がある。「東海寺を訪れた三代将軍家光が、船に乗ろ
うとして見送りの沢庵和尚に問う『海近くして如何か是東海寺(遠海寺)』、沢庵答えて『大
軍を指揮して将軍(小軍)というが如し』」。

 左折すると品川裏船だまりがあり、釣り船や屋形船が紡やっている。

tokaido01-08.jpg  小さく古い利田(かがた)神社。寛永10年(1798)に品川沖に鯨
が来たということだが、その骨をうめた鯨塚がある。時の将軍家斉
も浜御殿で見学したという。
 品川宿本陣の案内が聖跡公園にある。
 目黒川沿いに荏原神社がある。南品川の産土神で、「元明天皇の
御代の和銅2年(709)創設されたもので、明治元年(1868)10月
12日、明治天皇が遷都の際、内侍所(賢所)御鎮座あらせられた
所なり」。大変立派な建物で、龍が屋根からすべり降りようとして
いる姿がすばらしい。明治29年(1896)の「江戸」狛犬は子狛の表
情やその彫りの深さが美しい。

 道をはさんで目黒川沿いに、小さな寄木(よりき)神社がある。「日本武尊と弟橘姫の船団
のうち難破した船材が流れ着き、土地の人が弟橘姫を祀った神社」で、本殿の扉には鏝絵の名
人伊豆の長八の猿田彦の漆喰の絵が残っている。

 目黒川(昔は品川)を品川橋で渡る。この橋は、6月7日の祭礼に北品川の産土神である品
川神社の神輿と荏原神社の神輿がこの橋で行き逢うので行逢橋ともいわれていた。

 なお行くと、昔風の瓦屋根の松岡畳店にもお休み処の看板がでている。入り口のたたきには
作業台と材料がいっぱいで、とてもなかに入って休めるような所ではないが、昔の職人が働い
ているような雰囲気で面白い。

 諏訪神社には龍が柱から「火口」の所まで巻いて上っている天保年間(1830-)の灯籠があっ
た。また狛犬も天保年間の「江戸」である。

 青物を扱う店が多かったという青物横丁をいく。

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 品川(ほんせん)寺。江戸の各街道の出口六ヵ所に建立された
江戸六地蔵の一つで、宝永5年(1708)の青銅の座像がある。

 隣りあった所が海雲寺。火除けの千体荒神堂で知られている。
品川の千体荒神は、江戸時代から竈の神様として信仰されている。
「今を去る300余年前、島原の乱に鍋島甲斐守直澄公が出陣した時、
肥前天草の荒神様にお参りしたところ、甲斐守の先頭には必ず千余の
神兵が現れ、暴徒を鎮定した。鍋島家ではこの尊像を高輪二本榎の別
荘に遷座したが、明治7年(1874)に当山に勧請した」とある。本堂の
格天井には色々な火消しの纏の絵が描かれている。また文久元年(1861)
につくられた雄雌二鶏図の扁額はガラスの上に彩色された貴重なもの
であるという。

 岩倉具視の墓がある海晏(かいあん)寺に寄り、旧仙台坂のくらやみ坂を上り、元祖仙台味
噌の大樽と鬼瓦が展示してある建物を見て、大井町から電車で帰宅。

                                

狛犬一口メモ Q.狛犬とは何か

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